SL銀河ありがとう JR釜石線 きょうラストラン【花巻】
東日本大震災復興のシンボルとしてJR釜石線を走行してきた蒸気機関車「SL銀河」の最終運行は10日、始まった。沿線では鉄道ファンや住民らが手を振ったり横断幕を掲げたりしてこれまでの感謝を示した。SL銀河は11日の団体専用列車がラストランとなる。
10日の花巻駅ホームでは、花巻中学校吹奏楽部や春日流湯本鹿踊(ししおどり)が演奏、演舞を披露して花を添えた。最後の雄姿を見届けようと鉄道ファンらが駆け付けて記念撮影し、黒煙を噴き上げ出発するSL銀河を見送った。
釜石線沿いではカメラを構える鉄道ファンや、「SL銀河ありがとう」などと書かれた手作りの横断幕を掲げる地域住民の姿が多く見られた。
同吹奏楽部の高田菜未さん(3年)は「SL銀河は迫力があって、見るだけで圧倒された。最終運行の節目に演奏することができて光栄に思う」と笑顔を見せた。
SL銀河は、1940(昭和15)年製のC58型蒸気機関車で、廃車後に盛岡市の県営運動公園内に展示されていた車両を復元。客車は4両編成、定員176人で、内装を含め宮沢賢治の世界観を表している。
2014年から震災復興を後押しし、多くのファンに愛されてきたが、客車の老朽化により運行終了が決まった。
JR盛岡支社によると、10、11日ともほぼ満席。11日は午後2時40分に釜石駅を出発し、同9時7分に花巻駅に到着する予定。