みちのく初夏 響く鈴の音 「チャグチャグ馬コ」にぎわう 4年ぶり通常開催【岩手】
みちのくの初夏を彩る風物詩「チャグチャグ馬コ」は10日、滝沢市から盛岡市までのコースで4年ぶりに通常開催された。華やかな装束をまとった馬コが鈴の音を響かせながら練り歩き、沿道に集まった大勢の見物客を楽しませた。
チャグチャグ馬コは農耕で疲れた馬をねぎらい、無病息災と五穀豊穣(ほうじょう)を願う伝統行事で、装束をまとった馬が滝沢市の鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社から盛岡市の盛岡八幡宮までの約14キロを練り歩く。
新型コロナウイルスの影響で昨年は感染防止対策や規模を一部を縮小して開催されたが、今年はほぼ通常通りに戻った。
同日は装束馬、役員馬合わせて62頭が参加し、昨年と同じコースを行進。制限のない開催となったことに加えて好天にも恵まれ、盛岡市大通のパレードでは、乗り手が沿道に集まった見物客に向かって馬上から笑顔で手を振り応える光景が見られた。
友人と共に初めて訪れた雫石町の高校3年生桜小路七暉さん(17)は「マスクがない中でのイベントは新鮮。久しぶりに人が大勢集まり、にぎやかなで明るい雰囲気を感じることができてうれしい」と話していた。
チャグチャグ馬コは200年以上続く行事で、1978年に国の無形民俗文化財に指定され、96年には環境省の「残したい日本の音風景100選」に選ばれている。