岩手・宮城内陸地震15年 命を守る教訓次代へ 一関でシェイクアウト訓練
奥州市衣川で最大震度6強を観測した岩手・宮城内陸地震は14日、発生から15年を迎えた。甚大な被害を受けた一関市では震災の教訓を風化させず次世代に引き継ごうと、防災訓練「いちのせきシェイクアウト訓練」を実施。市内の教育機関では子どもたちが当時の被害や万が一の際の行動を学び、今後の備えとした。【2、11面に関連】
同訓練は同市が2018年度から取り組んでおり、6年目。同地震が発生した時刻と同じ午前8時43分にFMあすも専用ラジオ、屋外広報マスト、藤沢地域告知放送を通じて訓練開始を告げた。
震源地に近い同市厳美町の市立厳美小学校(佐藤加奈子校長、児童92人)では、全校児童が訓練に参加。訓練前には各学年で同地震による被害や、▽まず低く▽頭を守り▽動かない―の三つの安全行動を学習した。
このうち、4年生23人のクラスでは「地震発生」の放送が流れると、児童が机の下に入り揺れが収まるまで静かに待機。その後ヘルメットをかぶり、担任の指示に従い校舎の外に避難した。訓練を終えた佐藤理央君(4年)は「教わった通り行動することができた。一人でいるときに地震が起きても、きょうのように動きたい」と語った。
佐藤校長は「子どもたちにはどこに居ても、自分の命を守る行動ができるようになってほしい。本校は厳美町でたった1校の小学校でもあり、震源地や被害、復旧・復興などの様子を子どもたちの記憶に残し、次の世代に受け継いでいけるようにしていきたい」と話していた。