濃厚バーガー高評価 GROW(江刺)準V ジャパン・バーガー・チャンピオンシップ【奥州】
奥州市江刺のハンバーガー店「GROW」は、日本一のハンバーガーを決める大会「ジャパン・バーガー・チャンピオンシップ2023」(実行委主催)で堂々の準優勝に輝いた。世界戦への代表権は惜しくも逃したが、予選ラウンドを勝ち抜いた強豪4店による決勝ラウンドでトップの成績を収める快挙。コロナ禍で店の存続を何度も諦めかけたという菊地良太店主(36)は「苦しいときこそ一歩踏み出すと、人生は変えられる。そんな事を思わされたとても幸せな時間だった」と出場を振り返り、世話になっている多くの人に感謝しながら、今後に意欲を見せている。
同大会は、世界最大級のフードスポーツイベント「ワールド・フード・チャンピオンシップス」が認めた国内唯一の公式国際予選として22年に始まり、今回が2回目。今大会は9日から11日まで横浜市の横浜赤レンガ倉庫で開かれた。
北は北海道から南は沖縄県まで約50店の応募の中から、書類審査を通過した6都府県の12店が出場。GROWは初日と2日目に行われた予選ラウンドを3位で通過、最終日に行われた決勝ラウンドでトップの成績を収めたが、総合点で優勝チームに及ばなかった。
食材や調理設備、チーム編成など、あらかじめ決められた条件の下、予選ラウンドは「世界のバーガーファンに食べさせたい“究極”のチーズバーガー」をテーマに、制限時間1時間で1種6個を調理。決勝ラウンドではハッシュドポテトを必須食材に制限時間1時間30分で1種10個を調理し、店主らがステージで熱いバトルを繰り広げた。

GROWが決勝ラウンドで作ったのは「FUNBURGER」。予選で12種を食べた後の審査員の舌に強く訴えるため、好き嫌いのリスクもあったが、あえて味や食感にめりはりを利かせ、燻製(くんせい)した唐辛子、ライ麦が香るプレッツェルバンズ、こくのあるうま味のベーコン、濃厚な味わいの「マカロニ・アンド・チーズ」などを使って、飽きずに食べ進められるハンバーガーで勝負した。
チームは3人で編制。店のスタッフの都合が悪く、菊地店主のパートナーと元スタッフの後輩の力を借りて出場した。菊地店主は「パートナーと元スタッフの後輩、家族や友人、世話になっている多くの人の協力と応援が力となって、結果にたどり着くことができた」と感謝し、準優勝を喜んだ。
さらに「コロナ禍や原価の高騰で経営が厳しく、人手不足などにも悩まされて、何度も何度も店を畳むことを考えたが、大切にしていたバイクも手放し、何とか踏ん張ってきた」と明かし、「惜しくも一歩及ばなかったが、これを糧にこれからさらに上を目指して頑張りたい」と意欲を見せた。
同店が予選で作ったハンバーガーは通常のメニューをアレンジしたといい、店内で注文できる。決勝で作ったハンバーガーは近く限定で発売される。