内陸中心に大雨 各地で倒木、通行止め 岩手県内
県内は16日、気圧の谷の影響などにより、内陸南部を中心に大雨に見舞われた。県のまとめによると、奥州市内で土砂崩れが発生し小屋が倒壊。一関市では倒木により道路が一時通行止めとなった。人的被害は確認されていない。
盛岡地方気象台によると、同日の24時間降水量の午後4時ごろまでの最大値は一関で132・0ミリ、奥州市衣川で126・5ミリ、金ケ崎で102・0ミリとなり、いずれも6月の観測史上最大となった。
県や県警によると、奥州市水沢黒石町で裏山が崩れ、非住家の小屋が倒壊した。さらなる土砂崩れの危険性もあるとして、市が注意を呼び掛けている。
道路関係では倒木により一関市萩荘地内の国道457号の一部区間が一時全面通行止め、同市東山町長坂地内の県道で一部区間が一時片側通行止めとなった。同市の主要地方道花泉藤沢線は、道路兼用護岸の崩壊により当面の間片側通行止めとする措置を取った。
JR盛岡支社によると、同日午後8時30分現在、東北線は油島―花泉間での河川増水により、一ノ関―石越間で午前8時ごろから終日運転を見合わせた。17日は始発から通常運行する。東北線の盛岡―一ノ関間、大船渡線一ノ関―気仙沼間でも運休や遅れが生じた。
同気象台によると、17日は高気圧に覆われ晴れや曇りとなるが、気圧の谷などの影響により、夜は雨の降る所がある見込み。
16日午後1時10分ごろ、奥州市水沢黒石町字小島地内の民家裏手で土砂崩れが発生した。人的被害はなかったものの、民家の農機具を入れた小屋が倒壊し、土砂が田植えを終えた水田の一部を覆った。
この家に住む男性は「バキバキと木が折れるような音がしたので、裏手を見ると土砂や木が崩れてきた。土砂などを早く撤去したいが初めてのことなので分からない。この先が心配」と不安そうに話していた。