北上・西和賀

市立大設置は必要か 講演やWSで考察 黒沢尻北高【北上】

市立大学構想について生徒からの質問に答える山内所長(右)

 北上市常盤台の県立黒沢尻北高校(金濱千明校長、生徒649人)で14日、1年生225人を対象とした講演会「北上市に大学は必要か~他の設置事例から考える」が行われた。生徒は講演やワークショップ(WS)を通して市立大設置の是非について考察を深めた。

 同校では1年生の「総合的な探究の時間(きたかみ世界塾)」に「市立大設置の是非」をテーマとしたディベートに取り組んでおり、今回は全国の大学事情について研究を続けている一般社団法人大学イノベーション研究所の山内太地所長を講師に招いた。

 講演で山内所長は、国内の4年制大学約800校を訪問した経験を踏まえ、情報系の公立大は学生のほとんどが卒業後は地元に残らず首都圏に出て行くと指摘。一方で「地場産業の人材を育成する公立大の中には成功例もある。要は魅力あるまちづくりがポイント」と語った。

 一方、日本の人口減少や少子高齢化については、「国として貧乏にはなっているが、君たちはそんなに悲観することはない。今後を生き抜くために『探究の時間』があり、今後も能動的な学習に心掛けてほしい」と生徒たちを鼓舞した。

 講演後の質疑応答で生徒たちは、「市立大の効果的なPR方法は」「地場産業との連携策は」など、WSで話し合われた疑問について山内所長の意見を求めた。山内所長は「大学への投資は不可欠だが、地場産業の資金力が問題。北上に本社を置く最先端技術を有する会社がほしい」などと答えた。

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