北上・西和賀

来訪外国人の不安体感 住民が非識字ゲーム 黒沢尻東【北上】

非識字体験ゲームを楽しみながら、異国に理解を深める参加者

 北上市の黒沢尻東地区自治協議会(小田島雅也会長)は21日夜、多文化共生事業「非識字体験ゲーム」を同市中野町の黒沢尻東地区交流センターで開いた。文字が読めず言葉も通じない設定で、参加者は初めて異国を訪れる外国人の不安な気持ちを体感した。

 地区住民ら22人が参加。初めて外国に行きバスで病院まで行く際、幾つか買い物をする設定で、4班に分かれてゲームを開始。日本語は一切禁止で、「主人公役」のメンバーは他班のメンバーが掲げるタイ語の表示を見たり、発音を聞き分けて目的の品物を当て、それでも分からない場合はジェスチャーで伝達。他班のメンバーも手招きなどして応じていた。

 参加者はゲームを楽しみながらも、一苦労した様子。小田島由希乃さん(黒沢尻東小学校3年)は「タイ語がややこしく、外国に1人で行ったらどうしようと思った。初めて来た外国人の気持ちが分かった」と感じ入ったよう。母親の希さん(50)も「文字が分からず、ジェスチャーで何とか感じることができた。異国で生活するのは苦労が多いと分かった」と話していた。

 講師を務めた市国際交流協会の薄衣景子代表理事は「言葉の通じない国で文字を識別したり、バスで行くのは大変なこと。町には外国人が多くいるだけに、見掛けたら一声掛けてほしい」と呼び掛けた。

 地区内にもベトナムや中国などの外国人が多く居住。同協議会は外国人への理解を深めようと毎年、テーマを変えて開いており、来年以降も続けるという。

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