花巻

伝統の舞 継承へ 上根子神楽150周年記念行事 保存会員思い新た【花巻】

熊野神社などで行われた円万寺系上根子神楽伝承150周年記念奉告祭・式典。神楽殿では会員が「鳥舞」などを奉納した

 花巻市の無形民俗文化財に指定されている円万寺系上根子神楽の伝承150周年記念奉告祭、式典は25日、花巻市上根子の熊野神社などで行われた。同神楽保存会(平賀忠彦会長)の会員らが節目を祝い、伝統と技術の継承へ気持ちを新たにした。

 上根子神楽は県指定無形民俗文化財の円万寺神楽の流れをくみ、同神社で伝承されてきた。同神楽保存会には現在小学生から70代まで42人が所属。毎週月曜日に社務所で稽古に取り組んでいる。

 1870(明治3)年の神楽本が伝承されてから2020年で150周年を迎えていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり、記念行事は延期となっていた。同神社の平賀裕貴宮司(49)が「神社の例大祭に合わせて記念事業をやろう」と同保存会に呼び掛け、記念奉告祭と式典の開催が決まった。

 同神社で例大祭、記念奉告祭を執り行った後、熊野公民館で記念式典を実施。会員や関係者、記念式典には上田東一市長、鳥谷崎神社の稲田典之宮司ら来賓約60人が出席。式典では平賀会長が神楽の歴史を紹介したほか、継承に尽力した関係者に同保存会から感謝状が贈られた。

 同神社神楽殿で上根子、円万寺、小瀬川、下似内の各神楽が舞を奉納。地元の子供会による神輿(みこし)渡御も執り行われた。

 平賀宮司は「神社と神楽はともにある。今後も一緒に歩みながら地域を活性化させていきたい」と話していた。

 平賀会長(69)は「熊野神社のおかげで記念行事を行うことができた。本当にありがたい」と感謝する。同保存会の会員の半数以上が40歳以下と若く、「自分がスポーツ少年団の野球チームを指導していた時代の教え子たちも入ってくれた。みんな向上心も高い」と語り、「これからも他の神楽と切磋琢磨(せっさたくま)しながら、舞を高めていきたい」と気持ちを新たにしていた。

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