柔剣道場 来月解体 北上駅西口土地利活用 事業始動、安全祈願
北上市と特別目的会社(SPC)が公民連携で手がける北上駅西口柔剣道場等土地利活用事業の本格始動を前に26日、同市幸町の現地で安全祈願祭が開かれた。7月に現施設を解体し、先行して柔剣道場と弓道場が入居する市営体育施設の工事に着手。体育施設と立体駐車場は2024年内、民間収益施設は25年内の完成をそれぞれ見込んでいる。
同事業は北上駅西口再開発事業の第1弾。公募で優先交渉権者となった不動産業久保田ホールディングス(仙台市、久保田定社長)、建設業タカヤ(盛岡市、細屋伸央社長)で構成するSPC・北上駅西口開発事業合同会社が施工管理を担う。いんべクリーニング、岩手eスポーツ協会も協力企業・団体に名を連ねる。
祈願祭には市や地元住民、同合同会社、金融機関などから30人ほどが出席。八重樫浩文市長がくわ入れし、久保田社長、細屋社長らも玉串をささげて工事の安全を祈った。
八重樫市長は「市内中心部は空き店舗増加、通行量減少でにぎわいが喪失している。これらの課題解決と周辺への波及効果に加え、老朽化している柔剣道場、弓道場も利便性が高まる施設に生まれ変わると期待している」とあいさつ。久保田社長も「他自治体がうらやむほど設備投資されている北上市で、まちづくりの一端を担うのは喜ばしい。完成まで2年、皆さんの協力を頂き最後まで安全に進めたい」と述べた。
同合同会社では、体育施設(鉄骨造り2階建て)の工事に24年2月着手。1階を柔剣道場、2階を弓道場とし、完成後は市に移管する。1階には、ガラス張り屋内型イベント広場のアトリウムも設ける方向。164台を収容する立体駐車場(鉄骨造り1層2段)も来年着工し、体育施設と同じ来年末の完成を見込む。
民間収益施設(鉄筋コンクリート10階建て)は25年に着工。2~10階には主に単身向けの賃貸住宅108戸を用意し、1階には女性向けトレーニング施設、県内初のeスポーツ施設などが入る見込み。
事業費は、市負担分が既存施設解体費3億円と体育施設建設費など5億円。同合同会社は民間収益施設分として15億7000万円。市は同合同会社に土地を無償貸与する方針。