圃場65・5ヘクタール効率化 29年度完成へ着工 基盤整備砂子地区【花巻】
経営体育成基盤整備事業砂子地区の工事安全祈願祭は30日、花巻市東和町の砂子振興センターで行われた。事業採択から2029年度までの10カ年計画で、22億円を超える事業費を投じ、65・5ヘクタールの圃場(ほじょう)を整備する計画。地域住民や施工関係者らが工事の無事と地域農業の発展を願った。
砂子地区は、花巻市役所から南東南に約13キロに位置する一級河川滝川沿いに開けた水田地帯。現在の圃場は1966~70年に整備されたが、区画が10~20アールと小さく、水はけの悪さ、狭小な農道、用排水路の維持管理などが農作業の効率性を妨げており、地区内の整備要望の高まりを受けて事業を導入することになった。
県が主体となる同事業では、圃場を30~50アール区画に拡大するほか、農道を整備し、圃場への進入と走行性を改善し、大型機械による営農を行う。園芸作物が栽培できるよう水田に排水路や暗渠(あんきょ)を整備して水はけを良くするとともに、用水のパイプライン化により水管理の合理化を図る。
工事着手となる今年度は受益面積65・5ヘクタールのうち6・9ヘクタールの整地工を行うほか、幅員4~5メートルの農道973メートル、用水路(パイプライン)1280メートル、排水路1412メートルを整備する。
工事安全祈願祭には、県や市、猿ケ石北部土地改良区、JAいわて花巻、受益者、施工業者ら関係者40人が出席。神事を執り行い、工事の無事を願った。
同地区は事業導入を機に、農事組合法人ガンバいさごなど担い手に農地を集積し、はと麦やピーマンなど高収益作物の生産拡大を図るほか、水稲栽培に関してはスマート農業技術を活用し、作業の省力化や効率化に取り組む。
同地区基盤整備事業実施委員会の菅金夫委員長(70)は「50年以上も前に整備された水田では、現在の大型機械による農作業の効果が発揮できない状況だった。待望の近代農業に即した圃場が整備されることを願う」と語った。