「可能性は無限」信じて チアダンス 司東さん母校で講演 東陵中【北上】
全米チアダンス部門個人3位に入り、現在は米国の大学院に留学している北上市稲瀬町出身の司東実優さん(24)は6月30日、母校の市立東陵中学校(千田浩身校長、生徒95人)で講演した。司東さんは留学経験の苦楽をありのままに語り、「可能性は無限」と後輩たちにエールを送った。
「ようこそ先輩」と銘打った講演で、全校生徒と教職員が聴講。司東さんは黒沢尻北高校時代、留学を志したが当時の英語担当教諭に「はっきり言って絶対無理」と言われ、米国の大学で使える英語としてTOEFLに集中。「TOEFLの勉強を夜に頑張り、授業の間に一人で英語の勉強をした。受験対策の授業は寝た」と明かした。
それでも留学1年目は英語が話せず「友達の会話からフレーズを盗んで、言えるように練習した。授業が理解できず、録音したのを何度も聞いて解読し、教授に質問しに行った」と苦労を語った。努力のかいもありミズーリバレー大は首席で卒業し、ダンスも3、4年次に2年連続で全米トップアスリートの称号であるオールアメリカンを受賞、4年次には全米個人3位に輝いた。
現在はカリフォルニア州のクラレモント大学院で産業組織心理学を学び、12月に卒業予定。将来は産業組織心理学者として働き、ダンススタジオを開く夢を持っているという。自らの経験を踏まえ、英語で自らの人生訓「ポジティブな心の声はポジティブな結果につながる」「楽しいこと、好きなことは後回しにしない」「可能性は自分が信じる限り無限」と説いた。
司東さんはチアダンスの模範演技も披露し、流ちょうな英語と話術に生徒たちも引き込まれたよう。「苦しい時はどう発散するのか」「英語を好きになったきっかけは」など次々と質問を寄せていた。
佐藤宙哉さん(3年)は「ネガティブな考えをポジティブに変えれば、毎日楽しくなると思った。受験や学校行事もあるが、前向きに取り組みたい」と笑顔で語り、千田悠道さん(同)も「ダンスもすごいし、かなり努力をしていると思った。自分に自信を持つことが大事だと知った」と目を輝かせていた。