北上・西和賀

水田水管理もスマホで 農作業効率化へ実演会 北上市

スマホを活用した水管理について、メーカー担当者(右)から説明を聞く参加者=19日、北上市下江釣子

 北上市は19日、同市下江釣子地内の水田でスマート農業の実演会を開いた。参加者がスマートフォンを活用した水管理システム、ドローンによる農薬散布の説明を受け、今後の労働環境改善へ参考とした。

 農作業の効率化、コスト低減に向け、農業者へ最新技術の理解浸透を図ろうと実施。農業専門のIT企業farmo(宇都宮市)営業部の吉田健治氏、農業用ドローン販売、修理、点検の池田岩手営業所(北上市村崎野)の仙台雅美所長、髙橋尚人所長代理が講師を務め、農家や関係団体などから約30人が参加した。

 吉田氏は、基地局となる屋外通信機の半径3キロ以内の水田に水位センサーと給水ゲートまたは給水バルブを設置することで、スマホのアプリを使い水位が一目で分かる仕組みを説明。スマホの開閉ボタンで水田に行かなくとも給水、止水できるほか、自動設定すれば一定水位まで水がたまり、現場で手動でも操作が可能とした。

 作業の省力化につながるほか「水が入ればスマホにデータが蓄積される。これまで経験や感覚でやってきたことがデータ化され、新しい担い手へノウハウも伝えることができる」とメリットを強調した。

 池田岩手営業所の2人は、ドローンを活用し農薬を散布すればコメや野菜のあらゆる品目で除草、カメムシ防除、いもち病対策などの省力化が図られると説明。同日は悪天候のためドローンのデモフライトはできなかったものの、購入後はアフターフォローを行い、農薬の散布も請け負っているとした。

 参加した同市滑田の農業齋藤友嗣さん(60)は、スマホの水管理について「水の状況を見て回るのは時間がかかり、最近はガソリン代も高いだけに便利だと思った。価格面も見ながら今後検討したい」と話した。

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