復興のゴールへ思いつなぎ 東北希望の襷マラソン【北上】
第5回東北希望の襷(たすき)マラソン北上大会(実行委主催、一般社団法人シェフード共催)は23日、北上市相去町の北上総合運動公園で開かれ、県内外から1283人がエントリーし、夏空の下で健脚を競った。会場では地元食材を使った「地産地消食べマルシェ」も開催され、来場者がスポーツと食で北上の魅力に触れた。
同マラソンは2011年の東日本大震災の鎮魂を祈り、東北地方に元気と希望を届けようと、21年に同市で開かれた第1回大会を皮切りに各地で開催。本県で2度目となる同日はハーフマラソン、5キロ、1キロキッズラン、1キロ親子ラン、希望の襷リレーの各競技が行われ、開会セレモニーでは黙とうに続いて黒岩鬼剣舞が演目を披露した。
最多の515人がエントリーしたハーフマラソンは、同市出身のゲストランナー佐藤慎巴選手(セキノ興産所属)の先導で3キロコースを7周し、1位でゴールした小野寺昭さん(43)=宮城県気仙沼市=は「アップダウンが少なくて走りやすかった。佐藤選手のおかげで良いタイムを出せた」と振り返った。
複数人がたすきをつないで1キロコースを2時間周回し、距離を競う「希望の襷リレー」には、県内外から集まった東京五輪の聖火ランナーら19人もチームで出場し、トーチを掲げながら走り会場を盛り上げた。
地産地消食べマルシェでは、地元の産直や飲食店など20店ほどが地場食材のメニューやデザート、野菜などを販売。協賛企業の伊藤園の麦茶を使った冷やしラーメンも無料提供された。
食文化の活性化などを目指して活動するシェフードの中嶋貞治顧問は「震災から10年以上がたち、風化が進んでいるが復興は途中。復興支援と地元の食を組み合わせたイベントを続けていきたい」と話していた。