全身ＭＲＩでがん検診　費用、時間に利点　奥州・総合水沢病院

　奥州市総合水沢病院（菊池淳院長）は、全身ＭＲＩを使ったがん検診を実施している。県内の医療機関にも導入されている「ＰＥＴ―ＣＴ」検査に比べ、放射線被ばくがなく、時間が短く、体への負担が少ない上、安価で受診できるなどのメリットがある。ＭＲＩによる検診は予約制で１日３件。受診者にとって検診の選択肢が広がることから関心も高まっていることを受け、同病院では検診件数を増やすことを検討していく考えだ。

　全身ＭＲＩは「ＤＷＩＢＳ（ドゥイブス）、背景抑制広範囲抑制強調画像」と呼ばれ、頭頸（とうけい）部から骨盤までを撮影する。食事制限や検査薬注射などがなく、２０分程度あおむけになるだけで終わり、検査結果は１カ月後に通知される。検診費用は税込み４万円で保険適用外。

　東北地方で一般的ながん検査はＰＥＴ―ＣＴで、県内では盛岡市や北上市などの４病院で導入。検査の過程で微量の放射線被ばくを受けるほか、費用が１０万円前後、検査時間は注射を含め３時間程度かかる。

　同病院は機器更新に合わせ、４月に約１億６２８０万円で全身ＭＲＩに対応できる新機種を導入。同病院によると、全身ＭＲＩによるがん検査は、一般診療（保険適用）として全国各地で行われているというが、検診での活用は同病院が県内初で東北でも事例は少ないとしている。

　検診は今月２４日から予約制で開始しているが、既に８月分まで予約で埋まっている。県内外からの受診申し込みや問い合わせが多数寄せられているという。

　同病院では「ＰＥＴ―ＣＴに比べて時間が短く、費用も安いなどの利点があり、検診を受けやすくなる。今後は一日の検診件数を増やすことを検討したい」と話している。

　検診時間は平日午前９～１１時と午後１～３時。予約は同病院ホームページから申込書をダウンロードし、健康管理科へメール、ファクスで申し込む。

　申し込み、問い合わせ先は同科＝０１９７（２５）３８３３、ファクス０１９７（２４）９０９１、Ｅメールkenkoukanri@city.oshu.iwate.jp＝。