北上・西和賀

キオクシア岩手 第2製造棟 稼動延期 半導体需要減退で 北上

建設が進められているキオクシア岩手第2製造棟。一部を除き年内に工事完了の見通しだが、稼働は来年以降となった=7日、北上市北工業団地

 半導体大手キオクシア(東京都)が、北上市北工業団地に建設している子会社・キオクシア岩手第2製造棟の稼働時期を、2024年以降に延期することが分かった。第2製造棟の建設はおおむね年内に終了する見通しだが、世界的な半導体需要減退を踏まえて稼働を遅らせ、需要の動向を見て時期を判断する。

 北上工場はスマートフォンやパソコンなどのデータ記憶に使うフラッシュメモリーを生産。第2製造棟は22年4月、現在稼働している第1製造棟の東側で着工した。総投資額は第1製造棟と同規模の1兆円規模。第1製造棟より高層となる7階建てで、生産ラインを第1製造棟と連結。管理部門と技術部門が入る地上13階、地下1階の管理棟も併設し、約2000人規模の執務スペースを設ける。

 フラッシュメモリーは新型コロナウイルス禍に伴う旺盛(おうせい)な需要から一転、スマホやパソコンの需要が落ち込んだことで世界的に市場が減速。キオクシアは22年10月から、北上と四日市工場(三重県四日市市)の生産量を通常時より3割減らしている。

 第2製造棟の建設は、当初見込んでいた竣工(しゅんこう)時期はずれ込むものの、資材高騰、人手不足の影響はさほど受けずに工事が進められ、一部を除いて23年内に完了する見込み。

 減産は現在も続いているが、デジタル社会の進展により中長期的にはフラッシュメモリー市場の成長が見込まれている。キオクシア広報は、第2製造棟について「稼働時期は未定。市況、需要動向を見ながら精査して判断する」と説明する。

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