勇壮に観光客魅了 藤原の郷で百鹿大群舞 奥州・江刺
奥州市江刺岩谷堂の歴史公園えさし藤原の郷で16日、江刺鹿踊(ししおどり)「百鹿大群舞」が披露された。江刺岩谷堂商店街などで開かれた「みちのく盂蘭盆まつり」の関連行事で、盆休みなどで訪れた多くの観光客が100人の踊り手による息の合った群舞を堪能した。【9面に関連】
百鹿大群舞は1985年、東北新幹線のJR水沢江刺駅開業記念事業として誕生。同市江刺地域の鹿踊団体が流派を超えて一堂に踊るもので、同まつりや江刺甚句まつりなど、年に数えるほどしか演じられない。
同公園イベント広場には、市内の鹿踊団体が腰に着けた太鼓を打ち鳴らしながら集結。見物客は、長いささらを揺らして勇壮に演舞する姿にくぎ付けになった。子ども2人と一緒に鑑賞した仙台市の加藤博嗣さん(42)は「前から一度見てみたかったので、力強い群舞に興奮した。子どもも大勢の人が息を合わせて踊るので感動していた」と笑顔だった。
市内15団体で構成する江刺鹿踊保存会によると、同公園での百鹿大群舞の披露は雨天やコロナ禍で中止が続いたため6年ぶり。菊池司会長は「江刺が誇る郷土芸能の保存のためこれからも精進を重ね、地域振興に努めたい。新型コロナが一日も早く完全に収束し、平穏な日々になることを願っている」と語っている。