花巻東8強 智弁学園に5―2 全国高校野球選手権大会
第105回全国高校野球選手権記念大会第11日は17日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で3回戦が行われ、本県代表の花巻東(4年ぶり11度目出場)は第2試合で奈良県代表の智弁学園(2年ぶり21度目出場)を5―2で下し、8強入りを果たした。序盤から効果的に得点を重ねた花巻東が、強打の智弁学園に競り勝った。花巻東が8強入りするのは、4強入りした2013年以来10年ぶり。【6、9面に関連】
花巻東は2年生左腕の葛西陸、智弁学園は右腕藤田健人(3年)が先発。花巻東は一回、1番久慈颯大(3年)の中前打、3番佐々木麟太郎(3年)の左前打、4番北條慎治(3年)の四球で1死満塁とすると、5番千葉柚樹(3年)の左越え適時二塁打で2点を先制した。二回に1点を返されたものの、三回には佐々木麟の中前打と敵失で1死一、二塁とし、千葉の左中間二塁打で追加点を奪った。四回にも無安打で1点を加えると、六回には2死から久慈、2番熊谷陸(3年)、佐々木麟の3連打で5点目を挙げた。
葛西は抜群の制球力を武器に緩急を生かした投球を続け、甲子園2試合で19得点の相手打線を翻弄(ほんろう)。10安打を浴びても粘りを見せ、九回途中まで2点に抑えた。九回に2死球で1死一、二塁とされた場面で、1、2回戦でも好投した中屋敷祐介(3年)が救援登板し、得点を許さなかった。
佐々木洋監督は、葛西に腕を下げて横手投げ気味にフォームを変更するよう前日に指示したことを明かしながら「1日でどこまで対応できるかと思っていたが、器用なところもあり、腕を下げたのが抑えられた原因だと思う。ヒットにはされていたが、まだまだいけるかなと思った」と殊勲の左腕をたたえた。葛西は「相手打線も良かったが、怖がらずに投げ切ることができた。今までも練習試合で完投してきたので、体力には自信があった。先を見ず一戦一戦戦い抜いていく」と語った。
花巻東の次戦は19日の準々決勝第4試合で、前回王者・仙台育英(宮城)との東北勢対決に臨む。