度量衡制度に焦点 升やはかり、用具紹介 農業科学博物館【北上】
県立農業ふれあい公園農業科学博物館の第89回企画展「くらしの中の度量衡~長さ、容積、重さをはかってみよう」は、北上市飯豊の同館で開かれている。展示機器や計測体験などを通して度量衡制度について分かりやすく紹介している。27日まで。
度量衡は、租税や貨幣、土地制度などの確立のため、計量に用いる長さや容積、重さの基準を定めた制度。企画展では、昭和の中ごろまで使われていたさまざまな「はかる用具」を展示して計量方法の移り変わりを紹介しているほか、実際に器具を使って計測できる体験コーナーもある。
穀物や酒などを計る升は時代によって容積の違いがあったほか、米俵を計る際、米商人と素人では1合から1升ほどの違いが生じたという。重さを量る「はかり」には用途に応じて「台ばかり」「ばねばかり」「棹(さお)ばかり」などがあり、化学薬品用に精巧に作られた計量器も展示されている。
明治期に国から県に交付れた壱貫匁(いっかんもんめ)地方原器や尺地方原器、家畜の体高を計る測定尺、繭の容量を量る繭升など現在は使われなくなった機器も紹介されている。体験コーナーでは、水平器やノギス、五合升などを使うことや、台ばかりで自分の体重を計ることができる。
同館の古川勉資料調査員は「現在は国際的に統一された度量衡が使われているが、建築用のかね尺、一升瓶のようにかつての単位が根強く残っている分野もある。体験を通して度量衡を理解してほしい」と来場を呼び掛けている。
開館時間は午前9時から午後3時30分(入館は3時)まで。入館料は一般320円、学生150円、高校生以下は無料。月曜休館。問い合わせは同館=0197(68)3975=へ。