北上・西和賀

秋の味覚 消費者へ 二子さといも 猛暑乗り越え出発式【北上】

出荷が始まった2023年産の二子さといも。秋の味覚として食卓を彩る

 北上市特産の2023年産「二子さといも」の出発式は8日、同市二子町のJAいわて花巻北上地域二子さといも選果場で行われた。11月末まで、味わい深い秋の味覚が消費者に届けられる。

 二子さといもは二子地区を中心に市内各地で約300年にわたり守り伝えられ、全国的にも珍しい赤茎の品種。滑らかな食感と強い粘り気、煮崩れしない柔らかさなどが特徴で、18年には県内4例目、野菜では初の地理的表示(GI)保護制度の登録を受けた。高齢化もあり生産戸数、栽培面積は以前より減少傾向だが、今年も農家80戸が17ヘクタールで栽培する。

 5月の植付期から順調に推移したが、7月下旬の梅雨開け後の猛暑と少雨で各農家は栽培管理に苦慮。設備が整っている圃場(ほじょう)では積極的にかん水して前年並みを維持し、前年より子イモが大きく育った圃場もあるという。今後は昼夜寒暖差による養分転流で、子イモの肥大が期待される。

 出発式には同JA、市、市場関係者、地元住民ら約50人が出席。同JA北上地域野菜部会さといも専門部の鈴木賢二部長は「記録的猛暑と干ばつで本当に心配したが、生産者が努力したかいもあり思ったよりも成育状況はいい。9月に入り一雨ごとに生育が進むといわれており、高値取引をお願いしたい」とあいさつした。

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