北上・西和賀

直筆短冊を特別公開 短歌、都々逸10点 植物学者牧野富太郎 北上・詩歌文学館

日本現代詩歌文学館で特別公開されている牧野富太郎の直筆短冊10点

 NHKの連続テレビ小説「らんまん」で話題となっている植物学者牧野富太郎(1862~1957年)の直筆短冊が、北上市本石町の日本現代詩歌文学館(高野ムツオ館長)で特別公開され、注目を集めている。

 短冊は牧野と交流があったとされる千葉県の蕨(わらび)家に残されていたもので、現在は同館に寄託されている。蕨家の真一郎、直治郎兄弟は林業を営みながら短歌の創作活動にも取り組み、近代短歌最大の潮流となった歌誌「アララギ」は1908(明治41)年に同家から創刊されている。

 今回展示しているのは短歌や都々逸の直筆短冊10点で、牧野の号である「結網(けつもう)」や自らの書斎名から「繇條(ようじょう)書屋主人」で詠まれている。「早池峰は秋はや深し遅く咲く薊(あざみ)の花も盛り過ぎけり」など草花を詠んだ作品が多いが、中には久しぶりに生まれ育った高知を訪ねた際に詠んだ「故郷の山河今に変らねど舊(ふる)き友垣禿白髪かな」など、牧野の人柄がしのばれる作品もある。

 同館では「詩歌と植物は切っても切れない関係にある。『日本植物学の父』と呼ばれた牧野の作品を、その筆跡とともにじっくり鑑賞してほしい」と語っている。

 展示は10月1日まで。開館時間は午前9時~午後5時。入館無料。問い合わせは同館=0197(65)1728=へ。

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