大谷 今季復帰断念 IL入り、右肘治療へ
【アナハイム時事】米大リーグのエンゼルスは16日、大谷翔平選手(花巻東高出)が今季の残り試合に出場しないと発表した。右脇腹の張りで欠場が続いていた大谷は15日に磁気共鳴画像装置(MRI)検査を受け、変わらず炎症が確認されたため、負傷者リスト(IL)入り。今季の復帰断念となった。【7面に関連】
8月23日に右肘靱帯(じんたい)の損傷が判明し、残り試合で登板しないことが決定。打者での出場は続けていたが、9月4日の打撃練習で右脇腹を痛めた後は欠場していた。今後は手術の選択肢を含め、右肘の治療を行い、来季に備える。
16日に記者会見したミナシアン・ゼネラルマネジャー(GM)は「(右肘の)治療の詳細は分からない。来季に向けてできるだけ早く始めたいと思っている。彼の決断を尊重する」と語った。大谷は2018年のシーズン終了後に右肘内側側副靱帯の再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けている。
今季の大谷は打者としてア・リーグトップの44本塁打を放ってタイトル獲得を確実にしており、打率も3割4厘で初の3割をマーク。投手としては10勝5敗、防御率3・14の成績で、大リーグ史上初となる2年連続の「2桁勝利、2桁本塁打」を記録した。開幕前にはワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本の優勝に貢献した。
今季レギュラーシーズンは10月1日に終了する。
エンゼルスの大谷は4日の試合前に打撃練習を行った際、右脇腹を負傷。結局これが回復せず、14試合を残して今季終了の発表に至った。
右肘靱帯損傷を抱え、チームも低迷。来季以降を見据えれば残り試合で無理をする理由はなかったかもしれないが、大谷は復帰を目指してきた。ミナシアンGMは「彼は野球が大好きで、いつもプレーしたがっている。最近も自分ができることの全てに取り組んでいた。それだけに残念そうだった」と話す。
7日は打撃ケージでバットを振り、屋外でダッシュ。11日のマリナーズ戦では当初、2番指名打者で先発メンバーに入ったが、打撃練習後に万全ではないと判断した。何とか出場の可能性を探ってきたが、その希望はかなわなかった。本拠地での残り試合はチームと行動を共にする予定だ。
今後は右肘治療の方向性が焦点。来季の出場を目指し、早期に手術に踏み切るとの見方が強まっている。その方式にもよるが、手術を決断すれば来季はほぼ打者に専念する形になるだろう。
大谷はオフにフリーエージェントになるため、新契約への影響にも注目が集まる。6年過ごしたエンゼルスのユニホーム姿が見納めになる可能性もある。ミナシアン氏は「選手として、人として素晴らしく、特別な存在。グラウンドで誰もできないことをやっている。一緒にやってこられてうれしいし、今後もここに長くいてほしい」と述べ、残留を望んだ。