花巻

「イギリス海岸」4年ぶり出現 ファンら風景楽しむ【花巻】

4年ぶりの出現となった賢治が「イギリス海岸」と命名した北上川河床の泥岩層

 花巻市上小舟渡地内の北上川で21日、詩人で童話作家の宮沢賢治が「イギリス海岸」と名付けた河床の泥岩層が出現した。あいにくの雨となったが、イギリス海岸を一目見ようと市内外から訪れた多くのファンが河岸を行き交った。

 イギリス海岸はイーハトーブの風景地の一つで、ドーバー海峡の白亜の海岸に似ていることから賢治が名付けた。同市の北上川と瀬川の合流地点付近で、水位が下がった時にだけ顔を出す。

 賢治の命日に当たる21日に合わせ、市が発電事業者等の協力を得て北上川上流の六つのダムの放流調整や猿ケ石発電所の取水調整により河川の水位を下げることで、賢治がイギリス海岸と命名した河床の泥岩層の出現を試みている。2007年から実施し、出現は19年以来4年ぶり6回目。

 今年は20日午後7時に放流や取水調整を開始し、21日午前9時ごろには河床が水面に現れているのを市職員が確認。11時ごろには幅50メートル、距離200メートルにわたり河床が確認できるほど水位が下がった。

 同日は早朝から雨に見舞われたものの、賢治の命日に合わせ多くのファンが来訪。知人に誘われて初めて訪れた東京都の根岸徹郎さん(64)は「一度来てみたいと思っていた。見ることができて感動している」などと、賢治ゆかりの風景を楽しんでいた。

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