地区住民の足確保 自家用有償旅客運送開始 江刺・米里【奥州】
奥州市江刺地域の米里地区で3日、自家用有償旅客運送事業が開始された。同地区では市営バスの路線短縮やダイヤの整理統合が計画されており、住民と行政とで検討を重ねた上で住民主体の自家用有償旅客運送を導入した。出発式では関係者によるテープカットなどで事業開始を祝った。自家用有償旅客運送を導入したのは、江刺地域の稲瀬、梁川、広瀬、伊手の4地区に次いで5例目。
出発式には関係者、来賓の約20人が出席。運行を担う「米里の足を守る会」の菊池進会長はあいさつで、「地区住民約1100人のうち60%が60歳以上のため、通院や買い物に不便などが生じないため暮らしの足を確保するために導入した。バスが通らない細かな場所を通るので活用されるよう周知していく。安全で安心な運行に努める」と語り、関係者に感謝した。
7人乗り乗用車「シエンタ」と任意保険を1年間無償提供したトヨタカローラ南岩手の高橋俊雄代表取締役社長と、倉成淳市長が祝辞を寄せた。倉成市長は「自家用車のない人、運転に不安のある人の移動手段として地区の方々には大いに助かるものと思う。利用が広まることを願う」と述べた。
菊池会長と来賓がテープカットを行った後、1200年以上前に朝廷軍と戦った英雄にちなんで名付けられた「人首丸号」が、拍手で見送られて出発した。
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