全日本吹奏楽コン 4度目金賞 チームワークで栄冠 上野中、来月3日に定演【北上】
第71回全日本吹奏楽コンクール(21日、名古屋市)中学校の部で3年(大会)連続4度目の金賞に輝いた北上市立上野中学校吹奏楽部。飛び抜けた存在がいない分、部員44人がチームワークを発揮。重圧に打ち勝ち、金賞をつかんだ。
5大会連続7度目出場の同部は、課題曲「レトロ」でバブル期の雰囲気をポップス特有のビート感を出し、変化に富んだ音色やテンポで表現。自由曲の「交響曲第2番『江戸の情景』より」では一転、クラシック調で浮世絵の美しい世界を醸し出し、金賞の9校の一つに選ばれた。
現3年生は1年時に同大会で金賞を受賞し、2年時も金賞。岡本亜美部長(3年)は「最高学年になって落とす訳にはいかない」と、常に「金賞」を口に出し自分たちにプレッシャーをかけ続けた。
テーマとしたのは「本物のチームワーク」。2、3年生各13人、1年生18人が学年の垣根を超えてアドバイスし合い、互いに切磋琢磨(せっさたくま)した。1年生は初めて楽器に触る部員も多かったが上級生が熱心に指導し、半年間で見事にスキルアップ。本番では全学年の部員が一つとなり、高音から低音まで一糸乱れぬ「上中サウンド」を響かせた。
顧問の柿沢香織指導教諭は「昨年は何人か抜群に上手な部員がいたが、今年はスターがいない分、チームで補い合いまとまりがあった。3年生が頑張って1、2年生を教えた成果では」とたたえる。
重圧の中での3年連続の金賞に、岡本部長は「すごくうれしい。今年はチームワークを高めることを意識してきただけに、ついてきてくれた部員に感謝の気持ちでいっぱい」とほっとした表情。沼田桃奈副部長(3年)も「このメンバーで、名古屋の会場で演奏できうれしかった。応援してくださる方々や先生、講師に感謝し今できる最高の演奏ができた」と胸を張った。
同部は11月3日午後2時から、市文化交流センターさくらホールで金賞受賞報告を兼ねた定期演奏会を開く。1時開場。整理券なしで入場無料。