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昭和湖付近に迂回路 県専門部会 整備案了承 供用26年度目指す 栗駒山須川コース【岩手】

 栗駒山火山防災協議会の火山ガス対策専門部会(部会長・土井宣夫元岩手大教授)は10日、県庁で開かれ、火山ガスの影響で通行止めとしている須川コースについて、今後の全面解除を見据え、昭和湖付近に迂回(うかい)路を整備する案を了承した。警報システムなどの安全対策を講じた上で、2026年度の供用を目指す。

 同山では、高濃度の火山ガスが検出されたことを受け、19年から同コースの苔花台(たいかだい)―天狗平間を立ち入り禁止とし、継続的に火山ガスを観測。22、23年度はガス濃度が通行に問題ない水準まで低下したことから、期間限定で苔花台―昭和湖間の規制を解除した。同部会では今後の全面解除を見据えて、登山者の安全対策や、昭和湖付近への迂回路についても検討を重ねてきた。

 同日の会合には学識経験者をはじめ、県や一関市、宮城県栗原市、仙台管区気象台などの関係者ら13人が出席。火山ガス濃度について、昭和湖付近では22年度以降低調に推移し、今年度は基準値を超える記録は認められなかったことなどが報告された。

 昭和湖の迂回路については、今年6月の現地調査に基づき、立木伐採がなく、昭和湖から極力離れた位置に木道を設置する案を了承。登山者の安全対策として、ガス観測装置や赤色回転灯を備えた警報装置などを設置する。

 須川コースでは、今後もガス観測を継続。各年度6月末までの観測で昭和湖定点における基準値超過が認められない場合、部分的な通行止め解除を実施する。迂回路は各種設計を経て、25年6~10月に施工される見通し。警報システムと併せて26年度に運用を開始し、全面供用に向けた準備を進める。

 終了後、土井部会長は「やっと実現可能で効果のある迂回案が出てきた。登山者のためにも、県は早期に取り組みを進めてほしい」と求めた。

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