本県8年ぶり知事会議 復興、少子化対策で提言 北海道東北【岩手】
本県をはじめとする東北6県と北海道、新潟県の知事による2023年度北海道東北地方知事会議(会長・達増拓也岩手県知事)は14日、盛岡市内のホテルで開かれた。本県開催は15年度の花巻市以来8年ぶりで、東日本大震災からの復興や少子化対策で国への提言、決議を採択。人口減少対策では地域の実情に応じ、創意工夫しながら子育て支援政策に取り組むことなどを申し合わせた。次回は宮城県で開催される。【2面に関連】
同会議は、8道県の振興と各道県間の連携強化を目的に年1回開催。代理を含め8人が出席し「東日本大震災からの復興、災害に強い国づくり」「人口減少対策のための子育て支援」をテーマに意見交換した。
震災復興について、達増知事は復興道路などハード面の整備が進む一方、地域コミュニティー支援や被災者の心のケア、なりわい再生などの課題があると指摘。「課題を抱える一人ひとりに寄り添った支援が必要だ」と強調した。出席者の意見を踏まえ、▽被災者の生活再建に向けた支援▽甚大な被害を受けた農林水産業、商工業・観光関連産業等の再建・経営支援および雇用の確保▽地域の安全・安心と生活を支える公共インフラの早期復旧・振興―など10項目を盛り込んだ提言、決議を採択した。
子育て支援では、各道県が少子化の現状や課題、保育料無償化などの対策について紹介。テーマを提案した宮下宗一郎青森県知事は、合計特殊出生率の向上に重点を置くべきだと主張。「成婚率を上げる取り組みをしても、合計特殊出生率が伸びないこともある。上げるためにどういう政策をやればいいか、意見交換しながら進めなければならない」と語った。
安心して子育てできる社会の実現に向け、社会全体で子育てを応援できる機運醸成、妊娠期から出産・子育てにおける伴走型支援や産後ケアの充実、安心して妊娠と出産ができる環境の整備、経済的負担への支援など7項目を一層強化する決議を採択した。
このほか、国への提言として、地方創生の積極的な推進、物価高騰対策、地域医療対策の充実、国際リニアコライダーの実現、鉄道ネットワーク維持および鉄道施設の災害復旧など16項目を取りまとめた。