いわて瞬感 鮮やか 柿のれん 一関・花泉
冬の訪れを感じさせる寒さが増す中、一関市花泉町老松では鮮やかな色つやと軟らかくとろける食感の干し柿「おいまつ柿」作りが行われている。特産品の生産を通して地域を活性化しようと老松柿生産組合「おいまつ柿援隊」(小野寺義成組合長)が取り組んでいるもので、作業場に隣接する干し場では、4メートル以上の高さから幾重にも連なるようにつるした山吹色の柿のれんが、1カ月間寒風を受けて日々甘みを増す。
皮をむいた渋柿を硫黄薫蒸(くんじょう)してから干す独特の製法で作られるおいまつ柿は、食感はもとより、上品な自然の甘みが高級生菓子を思わせるのが特徴。
今季の作業は6日から1週間続けられ、組合員が手作業で1個ずつ丁寧に皮をむき、薫蒸処理して干した数は前年より1000個多い1万1000個。小野寺組合長は「今年は猛暑の影響か例年より柿が大きめ。機械に頼らず自然の寒さだけで仕上げるので、出来は今後の天候次第」と語っており、12月中旬からの出荷を見込んでいる。