北上川流域 魅力共有し課題解決 一関で連携会議 2県7市町長が討議
一関市と北上川水系(北上川上流)流域治水協議会が主催する第2回未来の北上川流域を考える自治体連携会議は30日、同市山目のベリーノホテル一関で開かれ、流域7市町長によるパネルディスカッションを通して流域の諸課題を連携して解決する策を探った。
岩手、宮城両県から100人が参加。「北上川を活(い)かした自治体連携をめざして」と題したパネルディスカッションでは、流域の21市町から首長7人をパネリストに迎え、成田秋義国土交通省東北地方整備局河川部長が進行役、平山健一岩手大名誉教授がコメンテーターをそれぞれ務めた。
三つのテーマごとに首長が意見交換。地域資源の紹介で倉成淳奥州市長は「北上川や胆沢ダムから供給される農業用水によりコメやリンゴ、ピーマン、大豆など豊かな恵みが生まれている」、流域内の交流で上田東一花巻市長は「水辺プラザやイギリス海岸などを市民に利用してもらうためにも既存の施設や活動を充実させるほか、新たなイベントを発掘して川を活用したまちづくりを目指す」とそれぞれ意見を述べた。
自治体連携を目指す在り方で佐藤善仁一関市長は、豊かな海になることを願い同市室根町で続く森は海の恋人植樹祭を例に挙げ「長い歴史があって現在に至る北上川でも、次代を担う子どもたちのため環境面などの取り組みで連携が必要。3回目となる次回の会議に期待する」と総括。平山名誉教授も「北上川は長い歴史があって安全が保たれるようになってきた。北上川は流域全体が同じ船に乗る仲間であり、河川環境についても地域の人々が情報を共有し、改善を進めていってほしい」と期待した。
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