一関・平泉

境内 冬の装い 達谷西光寺 オッコウなど雪つり・平泉

10メートル四方に広がった枝が雪の重さで折れないよう1本ずつ縄で結ばれる達谷西光寺の大オッコウ

 国史跡・達谷窟(たっこくのいわや)毘沙門堂がある平泉町の達谷西光寺(達谷窟豪侑別当)では、雪の重みで木々の枝や幹が折れるのを防ぐ雪つりの作業が進められており、境内は本格的な雪の季節を前に冬の装いとなっている。

 同寺の依頼を受けた金成緑化(本社宮城県栗原市、菅原久樹代表取締役)の職人5人が3日から行っている作業では、金堂の周りにあるイチイや御供所(ごくしょ)前のマツなど9本を対象に、中心部の支柱からつり下げた縄で枝を支えるようにしている。

 このうち金堂正面の「大オッコウ」は枝が横に広がるイチイの変種でキャラボクとも呼ばれ、室町時代に植えられたとされる樹齢約500年のご神木。5日は大きく10メートル四方に広がる枝を守るため、中央に立てた高さ約8メートルある支柱の先端に設けたわら飾りから60本以上の縄を放射線状に広げて垂らし、手作業で1本ずつ枝先に結び付けた。

 菅原代表取締役(44)は「これだけ横に広がる立派なオッコウは他にはない。湿った雪に枝が耐え切れずに折れることが多いので、枝が大きく張り出した東側を中心に雪が積もった際の重さのバランスを考えながら、今週中にすべての作業を終えたい」と語った。

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