花巻

若い感性、想像力たたえ 湊さん(奈良)最高賞 全国高校生童話大賞【花巻】

金賞を受賞した湊さん(中央)と銀賞を受賞した十川さん(右)、谷さん

 花巻市出身の童話作家宮沢賢治にちなんだ創作童話のコンテスト・第22回「全国高校生童話大賞」の受賞者が決まり、9日に同市大通りのなはんプラザで表彰式が行われた。作品「渡り鳥のルチア」で最高賞の金賞に輝いた奈良県立郡山高3年湊むつみさん(18)ら3人を表彰し、高校生らしい感性と想像力にあふれた創作をたたえた。

 入賞者をはじめ、実行委を構成する富士大、市、市教委の関係者、来賓など約60人が出席。実行委員長で富士大の岡田秀二学長はあいさつで「言葉もだが行間の表現に込められた意味、背景にある内容の豊かさには素晴らしいものがあった。こうした感性でさらに多くの言葉をつむぎ、発表してほしい」とたたえた。

 選考委員を務めた児童文学作家やえがしなおこさんの受賞作の講評に続き、湊さんと銀賞を受賞した2人に表彰状と記念品を贈呈。上田東一市長が祝いの言葉を寄せ、花巻北高校放送部員による金賞受賞作の朗読も行われた。

 金賞を受賞した湊さんの作品は、一カ所に住まずさすらう運命に寂しさを感じている渡り鳥の主人公ルチアと、ある町に住み遠い世界に憧れを抱く青年画家が出会い、心を通わせる物語。詩的な世界と主題を捉えた構成力、巧みな心理描写、人と動物が心を通わせていく美しい世界が高く評価され、審査員全員一致で選ばれた。

 湊さんは「私の作品を通して異なる種族同士が手を取り合う、そんな美しさを伝えられたらうれしい。人によって感じ方が変わり絶対的な評価を得がたい文学で評価されたことは本当にうれしく、これからの創作の励みになる」と受賞を喜んだ。

 同大賞は2001年から実施。毎年全国各地から多くの応募があり、今回は全国133校から564点の応募があった。

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