一関・平泉

いわて瞬感 酒蔵包む芳香 磐乃井酒造で寒仕込み・一関

もろみの発酵状態を確認しながら、かい棒でかき混ぜ調整する佐藤専務取締役=一関市花泉町・磐乃井酒造

 冬本番を迎えた中、県南の酒造会社では日本酒ならではの寒仕込みが行われ、酒蔵はもろみのほのかな香りに包まれている。

 寒さの厳しい冬に行うことで雑菌の繁殖を抑えられるほか、もろみが低温でゆっくりと発酵し、きめ細やかで良質な味わいに仕上がるとされる寒仕込み。一関市花泉町涌津の磐乃井酒造(東海林明弘代表取締役)でも新米を使った仕込み作業が11月に始まり、現在は醸造タンクに仕込んだ乳白色のもろみの状態を確認しながら、かい棒でゆっくりかき混ぜ発酵具合を調整する作業が続く。

 製造責任者で杜氏の佐藤竜矢専務取締役(38)によると、今季は猛暑の影響が11月ごろまで続いたため、醸造タンクにホースを巻き付けて水を流しながら温度を低く保ったとのことで、材料のコメも例年と比べ溶けにくいことから仕込みの配合に気を配ったという。

 酒造業界も物価高の影響などで厳しい状況が続くが、「今年は国内外の品評会で評価され、多くの賞を頂くことができた。今後も酒質の向上を目指して取り組んでいく」と佐藤専務取締役。仕込み作業は年末年始を含み2024年2月まで続けられる。

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