一関・平泉

多幸祈り 勇壮に 時の太鼓打ち納め【一関】

1年の締めくくりとして勇壮な音を響かせた2代目時の太鼓の打ち納め

 江戸時代をルーツとした「2代目時の太鼓」の御用納め式は28日、太鼓が展示されている一関市のJR一ノ関駅構内にある新幹線コンコースで行われた。70回の節目を迎えた一関夏まつりで恒例の時の太鼓大巡行も盛大に行われたことを改めて喜びながら、新年の多幸を祈って打ち納めとして勇壮な音を響かせた。

 式には時の太鼓顕彰会や市、一関青年会議所、市観光協会、いわいの里ガイドの会、同駅の関係者ら約20人が出席。初めに、市観光協会の佐々木賢治会長が「新型コロナウイルスが5類に移行したことで観光客が戻ってきて、各地域のイベントもできており、復活の年だった。中でも一関夏まつりでの時の太鼓大巡行はいつもより多くの子どもに参加してもらい、将来への希望を見た。来年の干支(えと)は辰(たつ)で、機運上昇でより良い年にしていきたい」とあいさつ。

 関係者が太鼓の前に設けられた祭壇に拝礼した後、時の太鼓顕彰会の和泉拓磨会長が力強く打ち納めをした。和泉会長は「顕彰会としてはさまざまな活動に積極的に参加しており、文字通り時の太鼓の顕彰活動に励むことができた。皆さまに支えられて成り立っていると自覚した一年で、感謝したい」と述べて三本締めを行った。

 時の太鼓は江戸時代、城下町に時刻を告げるため、一関藩が幕府から特別に許可を得て毎日正午などに打ち鳴らしたとされ、「一関に過ぎたるものは二つあり、時の太鼓と建部清庵」と評された。当時の太鼓は同市真柴の長昌寺に所蔵されており、同駅に展示されている2代目時の太鼓は、東北新幹線開業を祝い1983年に製作された。顕彰会が中心となって毎年8月に開かれる一関夏まつりで巡行されており、今年のまつりで堂々と演奏を披露した。

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