音響や照明操作体験 舞台裏探検ツアー 花巻市文化会館
花巻市若葉町の市文化会館で14日、大ホールの舞台裏を探検する「バックヤードツアー」が行われた。普段見ることができない音響や照明を調整する部屋などを見学し、スタッフに教わりながら舞台を支える裏方の仕事を体験した。
午前と午後の2回が行われ、小学生から70代まで合わせて22人が参加。同館ホール担当の沢口敬一さんの案内で大ホールで新しくなったスピーカーで音楽を聴き、ドルビーサラウンドの迫力ある音と映像を一緒に体感した後、普段見ることのできないミキサー室、映写室、調光室などを見学した。一枚の西陣織りで約1トンの重さがある緞帳(どんちょう)を電気モーターで上げたり下げたりしていること、ステージ天井の高さは約20メートルあることなども紹介された。
見学後は、ステージに設けた高座で宮沢賢治の童話「注文の多い料理店」のラストシーンの演出を体験。台本に沿って参加者はスピーカーから効果音やBGM、犬の鳴き声などを流したり、舞台背景の照明の色を変えたり模様を出したり、高座に上がってマイクに向かって台本を読んでみたりして寄席風に演出した。
母と参加した桜台小1年小原温真君(6)は舞台の進行に合わせてタイミング良く照明の色を変え、「楽しそうだなと思って参加した。照明(のつまみ)を上げたり下げたりするとステージの色が変わって面白かった」と話していた。
一般向けのバックヤードツアーは初の試み。同館の伊藤ケイ子館長は「舞台の裏側を知り、スタッフの気配り、創意工夫に気付くことでより深く演目を楽しめる」と話し、施設の活用を期待した。