北上・西和賀

寒風に揺れ 甘味凝縮 凍み大根作り盛ん 西和賀

西和賀町内で作られている凍み大根

 西和賀町内で冬の風物詩・凍(し)み大根作りが行われている。雪景色の中、整然と並ぶ大根が寒風に揺れ、厳冬期の訪れを告げている。

 同町沢内字両沢の中村一美さん(79)が営む味工房かたくりは、約15アールに2種類の大根を栽培しており、今季はこのうち約1000本を凍み大根にする。秋に収穫した大根の皮をむいて縦半分に割り、ひもを通してさおに掛ける。昼夜の寒暖差で凍結と解凍を繰り返すうちに水分が抜けて甘みが増し、特に寒い日が続くと出来が良いという。

 昨年の12月下旬からさおに掛ける作業を開始。すだれのようにずらりとつり下げられた大根は徐々にあめ色に変化し、中村さんが雪を払ったり、乾燥具合をチェックしたりしている。

 風通しの良い場所で約1カ月間さらした後、雨や雪の当たらない軒下で半月ほど、屋内でさらに半月ほど乾燥させて袋詰めする。

 夏場の高温などの影響で大根の収量は減少したが、「この冬もいつもより暖かいにもかかわらず、品質は例年同様に良さそうだ。水で戻し、切って煮物などに入れておいしく食べてもらいたい」と中村さん。丹精込めて作った凍み大根は、3月ごろから町内や北上、花巻両市の産直施設などで通年販売する。

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