平穏な一年願い 各地でどんと祭【一関】
正月飾りやしめ縄、古札などを小正月にたき上げるどんと祭は15日、県南の各寺社で行われ、参拝者らが御神火の炎に当たることで身を清めて汚れを焼き払い、新たな年の平穏や家内安全などを祈願した。
このうち一関市字釣山の一関八幡神社(小野寺康宮司)で営まれたどんと祭の神事には、同神社奉賛会員や近隣住民ら90人余りが参列。社殿前に設けられた祭場には各家庭や事業所の神棚に祭られていた古札や破魔矢、お守りなどが積み上げられ、小野寺宮司が忌み火をともすと赤々と立ち上がる炎に見守る人たちが静かに手を合わせた。
小野寺宮司はあいさつで「小正月の15日までがお正月で、どんと祭は正月にしめ飾りをよりどころにお迎えしていた歳神さまが戻られるための神事」と、どんと祭の趣旨を説明した。同日は朝から強風となったため、たき上げは例年より数を減らして少量ずつ行われた。
同奉賛会の佐藤馨会長は「今年は年明けから地震や飛行機事故と悲しい出来事が相次いだ。世界ではウクライナやガザ地区の紛争も続いているので、何よりすべての人が平穏な日常を過ごせる世の中になることを願っている」と語った。