商品売り上げ支援 能登地震被災酒蔵へ 世嬉の一 恩送り活動【一関】
能登半島地震で被災した酒蔵やブルワリーを支援しようと、一関市田村町の世嬉の一酒造(佐藤航代表取締役社長)は、「恩送りプロジェクト」を実施している。
恩送りは、一関ゆかりの作家・故井上ひさしさんの言葉。井上さんは戦後に同社の土蔵で暮らしていたことがあり、これを縁に同市で作文教室を開催したことを、誰からか受けた恩をその人に直接返す「恩返し」ではなく、別の人に送る「恩送り」と称していた。同社は東日本大震災で多くの支援を受けたことを振り返りながら、震災で受けた恩を送ろうと、プロジェクトを展開。これまでに2023年にトルコ南部で発生した大地震の被災者支援などに取り組んでいる。
今回は、能登半島地震で酒蔵やブルワリーが壊滅的な被害を受けたことから、支援のためにプロジェクトを実施する。具体的には、清酒3種類、ビール(セット)2種類の計5種類を用意し、この売り上げ全額を寄付する。
実施期間は31日までで、佐藤社長は「石川県の方々にも13年前の震災でお世話になった。頂いた恩を少しでも送って、酒蔵やブルワリーの皆さんに復活してもらいたい」と語っている。