一関・平泉

平泉・毛越寺二十日夜祭 除災招福を祈願 火たきのぼり復活

燃え盛るたいまつを激しくぶつけ合いながら常行堂まで行われた火たきのぼり=平泉町・毛越寺境内

 平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)で20日、常行堂二十日夜祭が行われた。新型コロナウイルス感染拡大のため2021年以降見合わせていた献膳行列や火の粉を散らしてたいまつをぶつけ合う火たきのぼりなどが4年ぶりに復活。一年で最も寒さが厳しくなる頃とされる二十四節気の「大寒」に新年の五穀豊穣(ほうじょう)や除災招福を祈願した。

 常行堂奥殿に祭る摩多羅神(またらじん)の祭礼(14~20日)が結願(けちがん)する日に行われるため二十日夜祭と称され、堂内では午後から一山の僧侶が本尊の阿弥陀如来に花献膳、摩多羅神に野菜献膳をそれぞれ奉納後、慈覚大師伝来の古式にのっとり常行三昧供(じょうぎょうざんまいく)の法要が営まれた。

 町内3カ所と一関、奥州両市の奉納宿から集まった常行講信徒ら約300人の献膳行列は、日没後の午後7時20分すぎにJR平泉駅前を出発し、たいまつの明かりを先頭に下帯姿の厄男や鬼子と呼ばれる幼児を背負った行列が、ほら貝や太鼓の音を響かせ同寺までの約1キロを練り歩いた。

 同寺境内に入ると下帯姿の男衆が掛け声を上げながら燃え盛る大きなたいまつを抱えて激しくぶつけ合う勇壮な火たきのぼりが行われ、常行堂に到着後は蘇民袋の争奪戦を展開。今年の取り主となった石川裕希さん(40)=同町平泉字黄金沢=は「4年間出られなかった先輩の気持ちを背負っていたので、取り主になれてうれしい」と語った。

 争奪戦後の堂内では、一山の僧侶や同寺ゆかりの子どもたちによる国重要無形民俗文化財「延年の舞」が奉納された。

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