4年ぶり裸男疾走 一関市・大東大原水かけ祭り
一関市を代表する冬の祭り「一関市・大東大原水かけ祭り」(保存会主催)は11日、同市大東町大原地内で開かれた。新型コロナウイルス禍による3年間の縮小開催を経て完全復活した「天下の奇祭」。県内外から集まった208人の裸男たちが全身に清め水を浴びながら通りを駆け抜け、家内安全、無病息災など明るい一年へ願いを込めた。
同祭りは明暦の大火(1657年)に由来し、今年で366年目となった。
呼び物の水掛けは午後3時に開始。白木綿の腹巻きにわらじ姿の裸男は地元の八幡神社で祈祷(きとう)を済ませ、大原商店街東側の中島橋付近に集合。「旗切り」と呼ばれる出発の合図で一斉に走りだし、おけを手に待ち構える見物客が掛ける水を浴びながら宿場町の面影が残る500メートル区間を5区に分けて走った。
2万5000人(主催者発表)の見物客は沿道から容赦なく掛けられる水の冷たさに耐える裸男をスマートフォンで撮影したり、声援を送ったりして4年ぶりの祭りを楽しんでいた。
地元大原から参加した岩渕孝悦さん(51)は「娘の安産祈願と孫の無病息災を願い4年ぶりに参加した。気温が高いようでも水はやっぱり冷たい」と話した。同町摺沢の足利謙次さん(44)は「仲間と参加した。天気は良かったが、風が強いのがきつい。早く風呂に入り酒を飲んで体を温めたい」と風呂へ急いだ。
祭り保存会の金野幸冨会長は「どうなるか心配もあったが、4年ぶりの本格開催が無事に終わってほっとした。皆さんから待ちに待ったという声も頂いた。楽しんで見てもらえたと思う」と満足げだった。