一関・平泉

問い合わせ AIが回答 HPで新サービス 一関市・15日から

生成AIを活用して一関市が15日から運用する市民向けサービスを説明する職員

 一関市は、生成AI(人工知能)の業務活用第1弾として、15日から市民向けに会話型AIチャットボット(自動会話プログラム)サービスを市ホームページ(HP)上で提供する。24時間・365日、HP掲載情報を基に、人間と同じように言葉の意味や文脈を理解して、市民らからの質問に回答する。日本語を含め85言語に対応しているため、外国人市民からの問い合わせも可能という。2024年度は、会話型AIチャットボットの機能を応用した音声サービス提供に向けて取り組むことにしている。

 市では、職員数が限られる中で行政事務や市民サービスにデジタル技術を積極的に活用していくため、市DX(デジタルトランスフォーメーション)推進本部内に若手職員を中心とする五つのプロジェクトチームを設置し、さまざまな活用を検討してきた。

 業務活用に当たっては、ルールとして市生成AIに関する利用ガイドラインを策定。地方自治体間で使用するネットワークのLGWAN(エルジーワン)上で利用できる生成AI、インターネット環境上で利用する生成AIを活用することとし、「業務に関係ないサイトへのアクセス制限」「インターネット上にデータ保存や共有する環境を設けない」「私的なアカウントでのログインを禁止」などの対策を取る。

 新サービスとして提供する会話型AIチャットボットは、市のHP画面右下に執事と呼ばれるアイコンを表示し、質問者が文字入力した内容を生成AIが分析して適切な回答を提供する仕組み。回答内容については市のHP上に掲載している情報に限られる。

 導入事業者は、横浜市でシステム開発などを手掛けている合同会社イージーダイアログ(ノイマン・クリストフ代表社員)。導入費用は1255万円で、半額分は国のデジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ)を活用した。

 市によると、現在普及しているチャットボットは職員が事前に想定質問とその回答を登録する必要があるのに対し、今回活用する生成AI(チャットGPT4・0)は、言葉の意味や文脈を理解して回答する機能があり、自然な会話形式でやりとりすることが可能。一連の会話が終了すると、利用者が文字入力した内容を記憶しない設定で運用する。同サービスの提供は、全国自治体で初めてという。

 佐藤善仁市長は「生活様式の変化や働き方の多様化が進む中で、市民は市役所の開庁時間外でも必要な情報を得ることができる」と話している。

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