一関・平泉

効率、利便性工夫重ね 高専2作品優秀賞 パテントコンテスト【一関】

2023年度パテントコンテストでの受賞の喜びを語った一関高専の(左から)小笠原さん、大町さん、小田島さん

 全国の高校生や高専生、大学生が発明のアイデアを競う2023年度パテントコンテスト(文部科学省、特許庁、日本弁理士会など主催)で、一関市萩荘の一関工業高等専門学校(荒木信夫校長)から学生2チームが応募した2作品が優秀賞を受賞した。同校の2作品受賞は2年連続の快挙で、ともに特許出願手続きを終了。18日には東京都内で表彰式が開かれる。

▲段ボールの底面に差込着脱可能な取手(緑色部分)の使用例

 受賞作品のうち、同校未来創造工学科5年の大町貫太さん(20)、小笠原蒼太さん(20)、小澤匠さん(20)、内海諒成さん(20)の4人が考案した「段ボールの底面に差込着脱可能な取手」は、重い段ボール箱を持ち運ぶ際に底面へ容易に手を差し込めるようにすることで、安全かつ効率的に運搬したいとの発想から発明。L字型の取っ手内側部分にひし形の突起を設け、箱を持ち上げた際に箱にしっかりと食い込むことで滑り止めの役割を果たす。

 小笠原さんは「何度も試作を繰り返すことで手を入れる部分の形状なども工夫し、重い箱でも運びやすくなるようにした」と語る。

▲両面テープピーラーの試作品

 同学科5年の小田島愛来さん(20)、奥家友理さん(20)、小野寺寿珠さん(20)、小野寺優介さん(20)の4人が考えた「両面テープピーラー」は、テープ表面の剥離紙を剥がす手間を解消しようと発明。一つ目の刃でテープ本体を切った後、回転する二つ目の刃で剥離紙を剥がすミシン目を入れることができる。

 小田島さんは「両面テープを使う際の不便さを解決したいと考え、検討を重ねた。ミシン目を入れる刃の取り付けに工夫が必要だった」と振り返る。

 15日に卒業式を迎えた8人は今後就職、進学などそれぞれの道に進むが、就職が決まっている大町さんは「コンテストや特許取得の手続きを経験したことは、社会で役立つ」と語った。

 同コンテストは、若い世代の知的財産に対する理解や意識向上が狙い。今年度は全国から511件の応募があり、特許権出願支援対象の上位30件に選ばれた同校は、コンテスト出場校の中でも7年連続計12件入賞の高成績を収めている。

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