北上・西和賀

流域ジオマップ活用へ 成果共有し可能性探る 西和賀淡水漁協など研究チーム

流域ジオマップの活用などを考えた県立大地域協働研究チームの報告会

 西和賀淡水漁業協同組合や一般社団法人環境創造会議、県立大などでつくる同大地域協働研究チームは25日、2020年度から4年間取り組んだ研究成果の報告会を西和賀町役場湯田庁舎で開いた。町内を流れる和賀川の3D画像やデータをまとめた「流域ジオマップ」について説明し、今後の活用可能性を探った。

 同マップは、和賀川に関する情報を分かりやすく提示、公開することで、町内外の関心や認知度を高めるとともに、防災や教育、観光振興に役立てるのが狙い。民間企業などの協力を受け、これまでにドローンなどを使って3D画像や水没林点群などの各種データ、水位変動のシミュレーションを作成したほか、VR(仮想現実)リモート観光の推進に取り組んできた。

 同日は町職員や町議ら約20人が参加し、同会議代表理事の佐井守同組合代表理事組合長が研究成果を説明。和賀川流域の課題として▽厳しくも豊かな自然環境の活用による地域活性化▽外来種やごみの不法投棄問題、希少種・在来種の保護▽豪雪・多雨による洪水、人材不足による森林荒廃―などを挙げた上で、西和賀のファンや訪れる人を増やし、自立的な「流域資源の活用・保全サイクル」を目指すとする展望を示した。

 参加者は、データ更新や地域での活用について質問したり、川の中から全方向を見渡せるVRを体験したりして研究成果を共有。佐井組合長は「河川に関する法律、住民の思い、ジオマップによる現在の正確なデータを、公共事業などを通じた望ましいまちづくりに生かしたい」と語った。

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