一関・平泉

諸仏 金色堂に還座 特別展から戻り法要 中尊寺【平泉】

金色堂中央須弥壇へ3カ月ぶりに戻った11体の仏像を前に営まれた還座開眼法要=平泉町・中尊寺

 東京都台東区の東京国立博物館で開かれた特別展で公開されていた平泉町・中尊寺(奥山元照貫首)の金色堂中央須弥壇(しゅみだん)諸仏が3カ月ぶりに堂内へ戻り24日、還座開眼(げんざかいげん)法要が営まれた。

 一般の拝観開始に先立つ午前8時からの法要には、一山の僧侶6人のほか平泉観光協会の千葉力男会長が参列。奥州藤原氏初代清衡のひつぎが納められた中央壇へ従来の姿で安置された阿弥陀如来坐像をはじめとする国宝の仏像11体を前に、特別展が盛会裏に終わり、諸仏が無事戻ったことに感謝する読経が行われた。

 同博物館で1月23日から今月14日まで開催された特別展の期間中、同寺では堂内の仏像構成を変更。残された22体のうち西南壇はそのままとし、仏像11体を中央壇へ移動した西北壇には仏像を置かない状態で拝観を受け付けていた。

 特別展に展示された堂内を装飾する金銅迦陵頻伽文華鬘(こんどうかりょうびんがもんけまん)や天蓋(てんがい)、かつて経蔵に納められていた紺紙金銀字交書一切経(いずれも国宝)なども同寺へ戻り、宝物館讃衡蔵へ収蔵。法要を終え同寺の菅原光聴執事長は「特別展では3カ月近くの間、多くの皆様に平泉の浄土をお感じいただくことができたと思う。今度は中尊寺から清衡公の志と平和の祈りを発信していかなければならない」と語った。

 金色堂は、みちのくの地に争いのない浄土世界実現を目指した清衡が、浄土を具現化すべく当時の建築や美術工芸技術を結集して建立。棟木に残る墨書銘から平安時代後期の1124(天治元)年に上棟されたことが明らかになっており、建立から900年の節目となる今年8月20日には慶讃法要が予定されている。

地域の記事をもっと読む

一関・平泉
2024年5月4日付
一関・平泉
2024年5月4日付
一関・平泉
2024年5月4日付
一関・平泉
2024年5月4日付