浄土庭園優雅に彩る 毛越寺あやめまつり開幕【平泉】
平泉町の毛越寺(藤里明久貫主)で15日、あやめまつりが開幕した。例年20日からまつりを開いてきたが、近年は猛暑の影響でハナショウブの開花が早まっていることから今年は5日繰り上げた。境内では赤紫や白、黄色の花が既に見頃を迎えており、7月7日までのまつり期間中は週末を中心に多彩な催しが予定されている。
同寺では1953年に町民の発案でハナショウブが植えられ、翌年には明治神宮(東京都渋谷区)から100種、100株を譲り受けて定植。現在は浄土庭園西側に設けられた約30アールのあやめ園に300種、3万株が育てられている。
まつり初日は好天に恵まれたこともあり多くの参拝客が訪れ、花言葉の通り優雅に咲く姿を堪能。夫婦で岩手旅行の途中という小笠原千里さん(55)=高松市=は「初めて訪れたが、歴史を感じる広い庭園で美しく咲く花を見ることができて良かった」と語り、境内の散策を楽しんでいた。
期間中は、今月16日午前11時から本堂前舞台で国重要無形民俗文化財延年の舞「若女・禰宜(ねぎ)」「唐拍子」「老女」、23日午前11時からは「若女・禰宜」「王母ケ昔」「老女」を上演。30日は子ども写生会、来月7日午前10時からは本堂前舞台で邦楽演奏会が催されるほか、期間中は限定で切り絵御朱印も授与している。