ザリガニ釣りに歓声 児童ら生態系学ぶ めぐみネットイベント【奥州】
奥州市民環境会議「奥州めぐみネット」(若生和江代表)は23日、ザリガニ釣りなどを通じて子どもたちに外来生物を学んでもらうイベントを同市水沢字吉小路の齋藤實記念館敷地内で開いた。小学生と保護者が釣りを楽しんだほか、ザリガニを観察しながら特徴や生態系に理解を深めた。
市内の小学生と保護者の20人が参加。講師は県環境アドバイザーで同ネット副代表の小沢宗さんが務め、ザリガニ釣りのやり方などを指導し、同館の池で行った。普段池は立ち入りを禁止しているが、管理する市の許可を得て実施された。
長さ1メートルの釣りざおを用い、するめや煮干しなどを付けて糸を垂らすと、次々とアメリカザリガニがかかり、参加者が10匹、20匹と釣り上げた。
小沢さんが出題するザリガニは何年生きるか、足は何本あるか、産卵時期はいつかなどのクイズに答えたほか、ザリガニをじっくり観賞しながら絵を描いた。また、日本には1930年ごろ輸入され、世代交代を繰り返しながら国内に定着したといったザリガニの生態、特徴も学んだ。
生物図鑑でザリガニの種類を調べているという小学3年の男児は「たくさん釣ることができ、面白かった。何匹か飼育して大きく育てたい」と語った。
アメリカザリガニは2023年6月、環境省が条件付特定外来生物に指定し、一般家庭でペットとして飼育している場合は飼うことができるが、野外への放出は法律で禁止した。イベントを企画した同ネットの花澤淳運営委員は「全国各地でアメリカザリガニの駆除が行われている。生態系を破壊する一方で、生態系や生物多様性を学ぶために格好の生き物だと思う。市民にこのことを理解してほしい」と話していた。