修復終え天頂儀室公開 「非公開」など巡る 宇宙遊学館【奥州】
奥州市の奥州宇宙遊学館(亀谷收館長)が主催する臨時緯度観測所時代の建物を巡る「天文台未公開スペースを含む~ノスタルジックツアー」が、同市水沢の国立天文台水沢VLBI観測所敷地内で行われた。普段は非公開の「眼視天頂儀室」の内部を公開している。今後は8、9月に各3日間実施する。
ツアーは今月20、21の両日に行われ、国の登録有形文化財に登録されて公開している臨時緯度観測所の本館(現木村榮記念館)と、非公開の「眼視天頂儀室」を見学した。国立天文台は、120年余りが経過して老朽化が著しい同室の修復工事を昨年度実施しており、内部を公開するのは今春実施されたツアーに続いて2回目。
ガイドは同観測所職員の蜂須賀一也さんが務め、天頂を通過する星の位置を観測するために建てられた天頂儀室では「冷暖房がない状態で夜間の観測を行った。夏は蚊取り線香の持ち込みが禁止され、虫に刺されて大変な思いをした」などと当時の苦労話も紹介した。
盛岡市の50代女性は「天体観察に興味があり初めて訪れたが、観測の歴史や面白い話を聞くことができて楽しかった」と話していた。
ツアーは8月10~12日、9月14~16日のいずれも午後1時と3時(8月12日のみ3時30分)に実施。参加無料だが入館料(一般300円、高校生以下150円)が必要。開催日に同遊学館で整理券を配布する。
問い合わせは同館=0197(24)2020=へ。