動物に託した願い 一関市博物館企画展 土人形や絵馬、厩猿など紹介
一関市博物館の企画展「祈りの中の動物たち」は、同市厳美町の同館で開かれている。土人形や絵馬など104点を通して、人々がさまざまな祈りや願いを身近な動物に託してきた歴史を紹介している。18日まで。
展示は▽子供の健康・幸福と動物▽開運招福と動物▽養蚕成功の祈りと猫▽牛馬の安全と厩猿(うまやざる)▽災難除(よ)けと動物▽民俗芸能と動物―の6章で構成されている。
多産と安産で知られる犬を出産に関わる縁起物としてモチーフにした土人形、農耕や運搬の労働力となっていた牛や馬を描いて健康や安全への願いを込めた絵馬、火災・盗賊よけに神の使いとしてオオカミの絵を刷り込んだ札など、人間の暮らしに深く関わってきた動物を信仰の対象などとしてきた資料が並ぶ。
このうち、座り込んだ猫の姿が形作られている「木像 猫座像」は、ネズミの害を防ぐために天敵の猫を祭る蚕養神社(同市花泉町油島)にあったもの。表面の剥落は著しいが、かつては真っ白だったと推察される。まつ毛を表現したのか、目の上の部分には小さな穴が開いており、一部には毛のようなものが残っている。
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momottoメモ
10、11の両日は午後1時30分から同館学芸員の展示解説会が開かれる。参加無料だが入館料が必要。申し込みは不要。問い合わせは同館=0191(29)3180=へ。月曜休館(12日は開館し翌日が休館)。