一関・平泉

山内古仏 特別公開 金色堂建立900年記念 中尊寺で企画展開幕【平泉】

前期限定展示の木造釈迦如来坐像および両脇侍坐像。近年の保存修理完成に伴い初めてお披露目された
後期まで展示される伝・光背化仏。中尊寺に残る10体のうち保存状態が良好な4体を公開している

 金色堂建立900年を記念する中尊寺(奥山元照貫首)の企画展「中尊寺山内の古仏」は2日、平泉町の同寺宝物館の讃衡(さんこう)蔵で開幕した。山内の支院などに伝えられ、普段は目にする機会のない平安時代後期の仏像を特別公開している。

 企画展は前期(29日まで)と後期(30日~11月26日)に分けて開かれ、期間を通して公開する5体を含む計13体を展示する。

 前期限定は木造釈迦(しゃか)如来坐像および両脇侍坐像(常住院山王堂蔵)と木造大日如来坐像(瑠璃光院蔵)の4体で、このうち常住院山王堂に伝わる3体は近年の保存修理完成に伴い初公開。釈迦如来坐像(像高51・5センチ)を中央に、右側に文殊菩薩(ぼさつ)騎獅像(像高34・0センチ)、左側に普賢菩薩騎象像(像高34・0センチ)を配置。象に乗る普賢菩薩は明治期の補作と思われるものの、いずれも奥州藤原氏の二代基衡時代の秀作とみられている。

 後期まで公開される伝・光背化仏(中尊寺蔵)は、仏像の背面に設けて光明を視覚的に表現した光背に配されていた小さな仏像。同寺に現存する10体のうち、今回は大日如来坐像、釈迦如来坐像各1体と、阿弥陀如来坐像2体を展示した。いずれも表面の金箔(きんぱく)などが良好な状態で保存されており、33・9~38・3センチの像高から丈六仏の光背にあったものと考えられる。

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