人工衛星 宇宙へ放出 短歌ミッション 成功期す 花巻北高 見守りイベント
県立花巻北高校(佐々木信明校長、生徒671人)の生徒が考案した「短歌ミッション」を担う人工衛星「YODAKA」が9日夕、国際宇宙ステーション(ISS)から宇宙空間へ放出された。花巻市本館の同校で生徒有志ら約30人が放出の瞬間を見届け、全国と花巻をつなぐスペースプロジェクトの成功を期した。
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ミッションは、全国から寄せられた上の句と、同校生徒がつくる下の句のデータを地球周回軌道上のYODAKAに別々に送信し、偶然の組み合わせで短歌(連歌)を作成する試みで、YODAKAを搭載したISS補給船は、11月5日にロケットで打ち上げられた。
放出見守りイベントには、ミッションの中心となる同校有志チーム「銀河の筆」の1、2年生らが参加し、宇宙航空研究開発機構(JAXA)とオンラインでつないでISSの様子をライブ視聴。銀河の筆メンバーで生徒会長の駿河奏太さん(2年)の掛け声で全員が「GO!」と拳を突き上げ、ISSからYODAKAが放出されると手をたたいて喜んだ。イベントの模様はJAXAの動画チャンネルで生配信された。
2025年1月に短歌を通信するミッションを行い、2月に短歌を発表する機会が設けられる予定。現在までに上の句は約180首の応募があったが、同校の1、2年生全員分の下の句に対して不足しており、「花巻スペースプロジェクトUP花巻」のウェブサイトで今月25日まで募集している。
駿河さんは「自分の発した言葉で人工衛星が放出されて感激した。プロジェクトは、宇宙を通じた花巻の活性化が目的。参加する人には他の人とつながることの喜びなどを感じてもらいたい」と思いを語った。