一関・平泉

大船渡線と私 開業100周年プレ企画

 子どもの頃、夏休みになると大船渡線を利用して宮城県の大谷海岸に行きました。大谷海岸は駅のすぐ前が海水浴場でした。

 私たち家族が乗った急行列車は大変な混雑で、デッキに立つのがやっとでした。小学生だった私は人混みと、気動車特有の匂いと振動で車酔いしてしまいました。

 なんとか次の駅まで行き、そこで鈍行に乗り換えることになりました。次の列車まではかなりの時間があったと思います。その日の海水浴はできなかったでしょう。

 母はどこかでアイスクリームを買って来てくれました。子どもながら情けなく、申し訳ないという思いで、ホームから線路を眺めていました。線路の向こうは山で、オニユリが咲いていました。

 今でも夏になりオニユリを見ると、青い空とオニユリのオレンジ色がとてもきれいだったことを思い出します。

 あの駅はどこだったでしょうか。

(一関市字南霻霳・瀬川修さん)


 大船渡線にまつわる皆さんのエピソードを文章(400字以内)や写真、絵手紙、イラストなどでお寄せください。応募は掲載のQRコードから。郵送でも受け付けます。

企画/一関市観光協会、岩手日日新聞社

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