後藤新平 多岐に才 考案劇曲の原本公開 芸能、スポーツとの関わりも 来月16日まで記念館企画展【奥州】
後藤新平記念館(佐藤彰博館長)の企画展「後藤新平と芸術・文化~劇曲『平和』~」は、奥州市水沢大手町の同館で開かれている。同市水沢出身の政治家、後藤新平(1857~1929年)が考案した劇曲(ミュージカル)「平和」の原本をはじめ、書、歌、スポーツ、動物愛護に関連する資料などを展示し、そのマルチな才能を伝えている。3月16日まで。
劇曲「平和」は、ドイツ皇帝ウィルヘルム2世が日清戦争以降、戦争に勝利した日本に対して唱えた脅威論「黄禍論」に反対し、真の世界平和を問う物語として後藤が考案。後藤の依頼を受けた逓信省職員の大道良太、平木照雄が脚本を仕上げた。原本は1912(明治45)年に発刊され、同館に残る。
同作は、人々を争いに巻き込むことをたくらむ「戦魔」と、真の平和を勝ち取る欧州列強国や日本国を擬人化した女神たちの物語だが、当時一度も上演されることなく、2024年5月に東京都内で初上演された。
企画展では、原本の写しと、平木が後に「平木白星」のペンネームで刊行した改訂版などを公開し、劇曲について紹介している。
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momottoメモ
入館料は200円(高校生以下無料)。開館時間は午前9時~午後4時30分。休館日は月曜(祝日の場合は翌日)。問い合わせは同館=0197(25)7870=へ。